種まき工房

疲れたココロが、少しでも軽くなりますように。そんな「願いの種」を一粒ポロリ。

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悲しく淋しい

携帯からはじめての更新。
この頃、ワンちゃんづいている。
今日「るり渓温泉」に行くと
一匹の犬が駐車場を歩いていた。

私には迷い犬
いやぁ捨て犬のようにみえたが
夫は「どこかに飼い主おるやろう」
と言った。
それがこのワンちゃんだ。

車の中からその姿をみたのだが
大きい犬で、怖い怖い。
私たちの腰の位置を
軽く越えているほどの大きさだ。
たぶんグレートデン?

少し様子をみていると
姿がみえなくなったので
やっぱり飼い主いたのかなぁと思い
車を降りて温泉にむかった。

すると夫が「あぁ〜来た!!」
と言った。
駐車場から温泉施設まで
100メートルほどあるだろうか
その間、私たちの後を追って
追い抜いてついてくる。
どれほど怖かったことか。

この後の書き込みはまたパソコンから。

入口に着くと、その犬は
入ってくることはなく
入口付近をウロウロしていた。
温泉から帰る人も出て行けない。

でも中には、犬を飼った経験が
ある人だと思うが
その犬をなでる人もいた。
たぶん賢い犬だと思う。
吠えることもなくキチンと
しつけられている印象を受けた。

温泉の受付で
「大きな犬がいますよ」
と伝えると「昨日からいるんです」
との答えが返ってきた。
怖いけど、気になる…。
あの犬どうなるんだろうと思うと
温泉に入ることができなくなった。

たまたま温泉で食べようと
パンを持っていたので
それをあげようかどうか
悩んでしまたからだ。
そのまましばらくいたのだが
夫の「帰りにいたらあげたらいいやん」
という言葉に後押しされ
温泉に入った。

入ってからも二人の会話は
その犬のことばかり。
そして時間が過ぎ、帰る時が来た。
ノドが乾いているかも
しれないと思い
ペットボトルに水も入れた。
準備を整え、温泉から出た。

でも、犬の姿はなかった。
「やっぱり先にあげたらよかったなぁ」
と二人で言いながら
車に乗り、出口に向う。

すると、出口付近に止まっていた
車の横に、白っぽい姿がみえた。
夫が「おったぁ!」と言った。
みると震えながら、カラダを縮め
丸く丸くなっているその犬がいた。

隣に車を止め
窓を少しだけ開けて
菓子パンをちぎって投げた。
予想通りお腹が空いていたようで
パンを食べた。
メスでかなり痩せている
歳を取っているとも感じた。

菓子パンを4つあげた。
でも、まだお腹が空いている様子だった。
夫が食パンを持って降りていくと
そばに寄って来る。
夫が「おすわり!」というと
お行儀よく、おすわりをし
パンを渡すまで待っている。

食パンを2袋。
その後、ウィンナーを1袋食べた。
この犬と、もう逢うことはないだろう。
だから、せめて空腹が
軽くなればと思った。

あの犬はどうして
あんな場所にいたんだろう。
るり渓温泉は人里離れた場所にある。
なので迷って来たとは思えない。

置き去りにされたんだろうなぁ。
そう思うと、ココロがとても痛んだ。
あの犬は飼い主をあそこで
待っているんだろうか…。
最後に「クゥーン」と
鳴いた声が耳を離れない。

少し前、雨降る中
赤ちゃんが自転車の後ろカゴに
置き去りにされて
翌日、亡くなったニュース
を思い出した。

置き去りにするなんて…。
気がつくと、私の中の
「子どもの私」も
悲しくて辛くて泣いていた。

どうか温泉の看板犬に
なることができますように。




Posted by 種まき at 23:43