「荒井由美」
この名前を知ったのは
高校２年生のとき。

友人が「これいいよ」と
レコードを貸してくれたのが
きっかけだった。
「ニューミュージック」という
ジャンルの曲をはじめて聴いて
ココロひかれた。

それからというもの
毎日、荒井由美の曲を聴いた。
おこづかいも、もちろん少なかったが
それでもがんばって
レコードを手に入れたのを覚えている。

「ひこうき雲」
本当に衝撃的な出会いだったなぁ。
そして、次のアルバム「ＭＩＳＳＬＩＭ」
そこに入っていたんだ「瞳に閉じて」が。

今、ＮＨＫ総合チャンネル「アーカイブス」
という番組のタイトル曲として
使われている。
この曲を聴くたび
なぜだかココロがキュッとする。

このキュッとする思いの元は
今の私には、もう手にできないような気がする。
小さなことでも感動できた
そんな私だったから
手に入れられたものだったような気がする。

そう思うと
今の私は、本当に倖せなんだろうか。
何でも欲しいものは
とんでもないものでない限り
手に入れることができるだろう。
でも、そんな私はある意味では
不倖せなのかもしれないなぁ。

荒井由美が、松任谷由実になって…。
だんだんとユーミンのレコードを
買わなくなっていった。
「ＲＥＩＮＣＡＲＮＡＴＩＯＮ」
これが最後に買ったレコード。

それから２４年という時間が過ぎた。
でもこの曲は、今でも好き。
荒井由美が、今でも好き。