その夜は、駅前のホテルに宿泊し
２日目の計画を立てた。

彼女からの提案もあって
清里に観光に行ってから
お見舞いに行くことにした。
２０年ぶりくらいの清里
いろいろと思い出すなぁ。

翌朝、チェックアウトを済ませ小海線へ。
佐久平から清里まで約１時間４０分
ゆらゆらゆられて清里までの
電車の旅を味わった。
前夜、彼女がメールで
「いつか一人で乗った
小海線を思い出してほしい」
というメッセージを送ってくれていた。

この旅もいつか思い出にかわるんやなぁ。
はじめから思い出に残ることを
意識した旅は、はじめてだ…。

シーズンオフで平日というのもあってか
ほとんどのお店が閉まっていた。
駅近くに郵便局があったので
記念切手を１万円分、購入。
その後「萌木の村」というところに向かった。

ＲＯＣＫというレストランで
名物カレーを頂き
かわいらしいたたずまいのお店を
１軒１軒めぐっていった。

１軒目のお店で願いが通ずるという
お人形をおみやげとして購入した。
そこの店主が
「私、スピリチュアル診断ができるんだよ」
と言いながら、私の手を取った。
「昨日、お見舞いに行って来たんだね」
そう言って少ししてから
「この人、長生きしてくれるよ」
と答えてくれた。
その言葉が、ただただうれしかった。

時間はあっという間に過ぎた。
２時間に１本しかない電車に
絶対に乗り遅れることはできないので
大荷物を抱えながら駅に急いだ。

無事、電車に乗車
彼女の病院へと向かった。