名前通り、ゆるりとした時間を
ひとつぶで過ごしている。
今日は、inocoさんのハンコ教室の日
忘れられない１日となった。

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先々週の日曜日
１本の電話がかかってきた。
inocoさんからハガキが届いたので
家族の車でひとつぶに来たい
というものだった。

しかし、あいにく
その日はひとつぶを閉めていた。
その方に、ハンコ教室の
ご案内をさせて頂くと
申し込みをしてくださった。

でも、その声の印象が
迷われていたように感じられたので
電話を切ったあとに
「無理強いをしたのではないか…」
という思いが残っていた。

そして今日
ハンコ教室の日をむかえた。
お電話で場所をお伝えした際
阪急になじみがないご様子だったので
雨の中、迷わず来て頂けるか
気になっていたのだが
心配は無用だった。

時間になると「来れましたぁ」
と喜びの笑顔いっぱいに
ひとつぶに入って来てくださった。
そして、ひとつぶに置いてある
inocoさんのハンコを手に取りながら
とても楽しそうにされた。

ハンコを作らなくてももう十分
だと言われたのだが
「つくられるとまた楽しいですよ」
とお伝えした。

ひとつぶによく来てくださる方を含めた
３名で教室が始まった。
ハンコを掘り、コラージュを楽しみ
そして、お茶を頂きながらお話をした。

そのとき、その方が
「私、２０年外に出られなかったんです」
とポツリとおっしゃられたんだ。
その方が「ひとつぶ」に
来てくださっている。
そして、外に出ることが
できるようになられたんだ。
と思うと感動して涙が出て来た。

悩まれていた声は
いろいろなことを不安に思う
気持ちからだったんだなぁ。
でも、電車に乗ってお一人で
いらっしゃることができたんだ。
すごい、本当にすごいことだ。

２０年という時間の長さを考えると
もう言葉にならない。
外に出られるようになった今を
「楽しくてしかたがないの」
と言われた言葉に重みを感じた。
本当にそうだろうなぁ
とココロから思える。

よかったぁ、本当によかったぁ。
その方の今も、お出逢いできたことも
そして、ひとつぶを開いたことも。
本当に本当に…。

写真：友人のつくった布バッグ。
約５時間の超大作である。